不眠症の人の養生法

   

 梅雨の季節は梅雨前線の影響下で、気圧の変化や寒暖の差や高湿度の変化が激しいので、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れがちになります。
  この影響からか、自律神経のバランスが乱れて、不眠を訴える人が増えております。「睡眠難民」と呼ばれる人々です。就眠までに時間がかかる(なかなか寝付けない)人には「酸棗仁湯」が良いでしょう。
 今年は例年よりも気温が低いので、身体にも影響が出てきておりますが、その他に、冷蔵庫から出したばかりの、冷えている食べ物、ビール・サラダ・刺身・果物・アイス、などを好んで食べ続けると、胃腸が冷えて、更に膵臓、肝臓、腎臓などが冷えを受けて、内臓機能が低下して、副交感神経の働きが鈍くなります。すると、結果的に交感神経の興奮が持続するので、更に、自律神経のバランスが乱れてしまいます。不眠症で睡眠薬を常用している人は、まず真っ先に、食生活からの改善をお勧めします。
 お腹を温めるならば、「大建中湯」「理中湯」などが、お勧めです。ビールを飲んでお腹が冷える人には、「平胃散」がお勧めですね。内臓の冷えから、自律神経、特に副交感神経の働きが鈍くなって、不眠症の原因になったりします。このような人は、夜になったら、ぬるめのお風呂にゆっくりと、入って、身体をぽかぽか温めて下さい。熱いお風呂や、シャワーは温熱の刺激で交感神経が興奮します、すると、いつまでたっても眠れなくなってしまいます。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる事で、体温が上昇します。すると、入浴後に脳のセンサーが体温を下げさせるようにと、副交感神経が働くようにスイッチを作動させます。ですから、入浴後はけだるさと・まどろみが起こります。このような習慣が身につけば、快適な眠りにつけます。
 不眠症の人は交感神経(昼間の神経)が興奮して鎮まりません。そこで、前回は、ぬるめの風呂にゆっくりと入る事で内臓や体温を温めて、湯あがりにストレッチすることで筋肉の血行を良くして脳が体温を下げさせるために副交感神経にスイッチが入って、眠くなります。これが入浴法の基本です。
 次に、眠る一時間前位に、牛乳180mlに砂糖小さじ1杯を加えて、
小鍋で沸騰させないようにゆっくりと温めます。これを、ゆっくりと味わいながら飲みます。こうすることで、とんがっていた交感神経の興奮が鎮まり、
眠くなってきます。牛乳には「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸が含まれていて、この「トリプトファン」が興奮を静める作用があります。そして、砂糖小さじ1杯を加えることで、ブドウ糖を脳に送り、脳の栄養状態を良くします。
それと、おだやかに温められた牛乳が胃をやさしく温めてくれます。牛乳は「癒し系」の飲み物です。牛乳は乳脂肪やタンパク質がコロイド状に水に分散しているから、胃の粘膜などもやさしく保護してくれるのです。
 此の正反対が「刺激系」のコーヒーです。コーヒーのカフェインで交感神経が興奮して胃酸を増やしたり、眠気をバチッと覚醒させます。
ですから、「朝のコーヒー、夜のミルク」 「朝のシャワー、夜の入浴」が良いのです。

 

 以下の症状のうち一つでも当てはまるものがあるとすれば不眠症になっているのかもしれません。
  ・ 床についても2、3時間寝つけない
  ・ 眠ったとしても疲れが抜けない
  ・ 昼間眠くなる
  ・ 休日は1日中、横になっている
  ・ 起きた時に心臓がバクバクしている
  ・ 肌が荒れる
  ・ 抜け毛が増える
  ・ ニキビが出る
  ・ 目つきが悪くなる
  ・ 太る
  ・ 朝起きれずに仕事に遅刻する
  ・ 今夜は無事に眠れるかどうかと不安になる
  ・ 慢性的な頭痛に悩まされる
  ・ 体が緊張する
  ・ 耳鳴りがする
  ・ 神経が弱くなり、ちょっとしたことでも過敏に反応してしまう
  ・ 病気がちになる
  ・ 体がだるい
  ・ どうしようもない不安に襲われる

 もしこれらの症状が慢性的に感じられるとすれば一日もはやくこの情報で快適な睡眠を手に入れてください。