高齢者や弱った病人に

山芋料理の食養生法

   

 11月の健康食材は、ズバリ「山芋」がおすすめです。山芋は薯蕷(ショヨ)と呼ばれ中国古来から身体を丈夫にする食べ物として使われてきました。自然薯(ジネンジョ)は山に自然に生じる薯蕷(やまいも)の事です。その働きは、味は甘く、性質は微温、脾臓と胃を補い、肺や腎臓を滋養し痰を取り、下痢を止める。とあります。
 山芋は高齢者や腎臓病の人、喘息など呼吸器が弱い人、アトピーなどの虚弱児、風邪をひいて下痢が続く人、などの体力回復に最適な食材です。
 一般に高齢者の食事や病人食は「淡食」と云って、薄味・あっさり味です。次に「細食」と云って、ゆっくりと良く噛んで食べる事です。そして「熟食」と云って、じっくり煮込む食事にします、これは胃腸が弱っているので、生食よりも火を通した物の方が消化しやすいからです。そして硬いものを少なくして、やわらかい食事にします、これを「軟食」と云います。
 病人食の決定版は「芋粥」です。小説にも登場する「芋粥」は山芋のお粥です。

 

山芋のお粥

 ごはん1膳を鍋に入れ、水200〜400ml入れ火にかけ、 山芋50〜60g 皮をむいて短冊切り。生姜少々、2ミリ厚の切片2枚を糸状に切る。シラス少々。これを鍋に入れて山芋が煮えたら、茶碗によそって温かいうちに食べさせる。好みで塩・のり・ふりかけをかけても良い。下痢や衰弱がひどい時は、ごはんを減らして、薄い粥を作る。


山芋とシラスの厚焼き卵

  山芋100g皮をむいて、すりおろし、卵1個割入れて、砂糖小さじ1杯、シラス少々入れて良くかき混ぜて、フライパンでゆっくり焼く。好みで、ムキ海老を入れても美味しい。

 

山芋のお好み焼き

 山芋1本(500g)皮をむいてすりおろし、卵1個割入れて、白ダシ醤油小さじ1杯、ムキ海老、キザミねぎ、カツオ節、少々入れ、フライパンでゆっくり焼きあげ、青のり少々ふりかけ、お好み焼きソース・マヨネーズをかけて食べる。 白ダシ醤油の代わりにめんつゆでも可。

 

山芋と玉ねぎのグラタン(2〜3人前)

 山芋2本(800〜1000g)皮をむいて、すりおろし、卵2個割入れ、とろけるチーズ細切り30〜50g、皮を取った・辛子明太子1腹、白ダシ醤油大さじ2杯、ボウルに入れて泡立てで良くかき混ぜる。
 タマネギを縦に半分に切り、さらに縦に1センチ幅で切る。熱したフライパンにタマネギを入れてキツネ色になるまでじっくり弱火で炒める。これをステンレス製のココットかグラタン皿の底に敷きつめる。型離れを良くするため、容器の側面にも溶けたバターを塗っておく。これに先程ボウルに入れた材料を流し込み、上面に、パン粉・パルメザンチーズをふりかけて、220度のオーブンで20〜25分程、上面がキツネ色になるまで焼きあげる。