葛根の効用で

寒さと肩こりがラクラク

   

 秋の七草のクズは紫色の花を咲かせ、クズの根はデンプン質をたくさん含み、その根は「葛根」(カッコン)と呼ばれ、「葛根湯」などの漢方薬の原料として使われたり、葛餅、葛切り、などの食用に供されたりしております。
 クズの根の有効成分はダイゼインと呼ばれ、薬理作用は、感冒や急性炎症に解熱薬として、特に項背部が強張り、頭痛や鼻づまりなどの発散作用。
項背部の筋肉のコリ、五十肩、腰痛、足腰の筋肉が痙攣を緩和する筋弛緩作用。胃腸風邪などで、お腹をこわして下痢が続く時の下痢止めなどの、止瀉作用などがあります。また、酒の毒を消す作用があるので、正月に酒を飲み過ぎて体調がすぐれない時などにも良いです。
 特に寒の入りを迎えて寒さが厳しくなり、足腰も冷えて、肩こり、腰痛、筋肉痛がひどい時に身体を温め筋肉の強張りを弛めてくれます。
 薬膳としては、葛粉に生姜やナツメ、シナモンなどの香辛料を加えた葛湯を飲んでみたり、葛粉を溶いてとろみをつけた 「吉野あん仕立て」と呼ばれる汁物が良いでしょう。


タラとオクラの吉野あん仕立て 4人分

 材料
 塩タラ切り身    2切れ
 大和イモ       60g
 せり 又は(三つ葉)    1パック(2把)
 オクラ        4本
 生姜         20g 
 赤ピーマン     1/4個
 柚子皮        少々
 葛粉         大さじ4杯
 白ダシ        大さじ8杯(120ml)
 日本酒        大さじ4杯(60ml)
 水           800ml

 作り方
1. 塩タラ切り身2切れを、1口大に切り、葛粉をまぶしておく。
2. 大和イモの皮を剥き、5ミリ角にサイコロ切りする。
3. オクラ、タテに二つに切る。
4. 生姜を輪切りにしてから、細く針状に切る。又は卸し金ですりおろす。
5. 赤ピーマン、皮をそぐように薄く切る。
6. せり、根を切り落とし、5センチの長さに切りそろえる。
7. 柚子、皮を薄くそいでおく。
8. 水100mlに、あらかじめ葛粉を溶かしておく。
9. 鍋に水800ml入れ、火にかけて沸騰したら、白ダシ、日本酒を入れ、塩タラ、大和イモ、オクラ、生姜、赤ピーマン、せり、柚子皮を入れて、1煮立ちしたら溶かした葛粉を入れてかき混ぜ仕上げる。
10. 丼ぶり4つに等分に盛り付けて温かいうちに食べる。